あくタイプの当然/がんがらがん

 

 

12年前のゲームということが恐ろしくなるBWキッズ、仁王立ちクララ。

 

 

 前回の記事で「次回は正月小説を扱う」と書いたものの、実はクリスマスと正月のあいだに4Vクリムガンを一本投稿していたことを見落としていました。というか、この振り返りブログを書くのもそれなりに時間がかかるので、このまま1日1作品を振り返っていては、今年のクリスマスと正月のネタを書く時間がなくなってしまう……

 ということで、一つの記事で可能な限り複数の作品を振り返ってゆきたいと思います。前回は少し長くなりすぎた感じはしますが、あれはどう考えてもポケモンユナイトについて語りすぎていたし、あれと同じ文量で続けてゆくのも大変そうです。

 ですので、さくっと振り返りに入りましょう。

 

 

 

 名無しの4Vクリムガン(仮)‐あくタイプの当然‐

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 ちらほらと打ち明けていたりもすることなのですが、実は4Vクリムガンは一度同人誌化しています。それまでにpixivで公開していた5作をまとめて、書き下ろしを一本加えた形でした。そう、その書き下ろしが「あくタイプの当然」です。

 クリムガン同人誌については、購入してくださった方には申し訳ないことこのうえないのですが、ガチの黒歴史です。なにがどう黒歴史なのかはあまりにも恥ずかしすぎるので伏せておくとして(実は私、自分に都合の悪いことは語らないということができるんですよ)、せっかくの同人誌化であり、書き下ろしです。ちょっとスペシャルなものを書こうというつもりでした。4Vクリムガンは基本的にクリムガンの一人称(厳密には違うのですが面倒なのでここではそういうことにしておきます)で進みますが、本作は新キャラのゴチルゼル一人称が加わります。今にして思えば、4Vクリムガンで初めてクリムガン以外の視点で書いたのが本作でした。

 そもそも4Vクリムガンは、クリムガンの一人称でなければ書きようのない部分が多すぎます。ある程度クリムガン視点の話を書いたあとならまだしも、5作程度しか続いていなかった当時、クリムガン一人称から外れて書くのは時期尚早の感がありました。今はまだクリムガン視点で統一しておきたい……でもそれではいつもとたいして変わらないものにしかならない……

 で、どうなったかというと、たいしてクリムガンが関係ない話になりました。クリムガンのシリーズなのにそれはどうなんだ……

 ただ、世の人々がなんとなしに信じていることへのアンチテーゼはきちんと表現できたように思います。表現っていうか思いっきり文字にしてるしね。それほど難解な内容でもなく、このシリーズにしては理解も易しいのではないでしょうか。

 

 私は常々思っているんですが、「あくタイプ」ってなんなんでしょうかポケモンのタイプの分類の中で唯一「あく」だけが概念によるものです。でもそれっていったいだれから見た「あく」なのか? 数多存在するポケモンの中で「あくタイプ」だけが悪なのか? ていうか「ノーマルタイプ」ってもっとなんなの?

  そこで私は、タイプ云々に関係なく、ポケモンにしか成せない芸術としての悪を描いてやろうと思ったのです。

 

 

正義とは何かと悩む主人公を勇気づける黒野鉄斎

 

 少しサブカルにかぶれた人たちは、なにか市民権を得たかのように「正義の反対は悪ではなく別の正義」と定型句を持ち出してきますが、そもそもこれを言ったパワポケ7の黒野鉄斎は悪のマッドサイエンティストであり、ロマンとしての悪を追求している人物です。

 腹立たしいことに、ここから続く彼の超絶名言の数々は、最初だけが切り取られ、都合の悪い「正義」なるものを批判する便利な道具のように使われがちです。私はだれに対しても親切をはたらく聖人ではありませんので、そのような方々のために黒野鉄斎の発言を解説するのなんで、絶対にごめんです。自分で調べろ。というか、知りもしない言葉を知ったような顔で使うな。

 この言葉を便利に使っている方々は、なにか「悪」を美化していますし、「正義」に逆張りしすぎてす。やむにやまれぬ事情があり、ある側面をみれば悪と呼ばれる行為に手を染めるしかなかったというような、訳アリお涙ちょうだいボスキャラでも想定しているのでしょうか。漫画の読みすぎです。とくに理由もなく害悪をはたらく人間なんて腐るほどいるじゃないですか。

「あくタイプの当然」では、そういう悪そのものを書いてやろうと思ったのです。誰かを貶めるためではなく、貶められただれかを見て楽しむためでもなく、それによって自分が得をするためですらない。悪をはたらくこと自体を目的とする悪。「あくタイプ」ってそういうポケモンなんじゃないんですか?

 

 

 ということで、ゴチルゼルのデザインはなかなかうまくいきました。しかしなろう小説でもあるまいし、あまりにゴチルゼル無双すぎても話としてしょうもないので、最後はクリムガンに論破されることにして、チャンチャン。内容が簡単なので、本作について語りたいことも本文で書いた以外にはなにもありません。強いていえば、第5世代を代表するあくタイプのゾロアークないしゾロアをこのテーマで出さないわけにはいかなかったことくらいでしょうか。サザンドラとかキリキザンは、凶暴さとかの方面のあくタイプだから、ちょっと方向性が違うしね……ゾロアのような、「悪」としてはかわいらしいレベルのポケモンがちょうどよかったのです。

 

 そんなところです。

(このシリーズ全体に言えることですが、思考の方向性というか、着想がなんというか、高二病だなあって感じ)

 

 

 

 

がんがらがん

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 オリジナルのケモホモです。エロ目的の一次創作は久しぶりでした。前回の記事でもちらっと触れましたが、軽音しかりSFしかり、一次創作ではエッチシーンはあるけどそこが本線ではないという書き方をすることが多いので。

 

 今作も内容は非常にシンプルで、2021年の夏には非常に夏らしいものを書いたから、年末年始は年末年始の風情を出そうと思って書きました。しかしそういうものを書こうとすると、お正月の空気というのを肌で感じないことにはうまくいかないのです。

 なので、「年末年始ってみんなはどういうことをしているのかなあ」とYouTubeを観たり、SNSを眺めたり、そういう取材っぽいことをしてしばらく過ごしました。宝くじの話題ですとかね。私自身は年末の大掃除なんてしませんし、初詣なんかも面倒なので、小説の準備段階と、実際に書いているときがいちばん年末感を味わえました。

今作でとりあげたハニバターミックスナッツ。

 

 

 そういえば、2021年はなにかとネームドのオリジナルキャラクターを書きましたが、私はあまり名前をつけるのが得意ではないのです。ケモノキャラで創作していれば、たとえば犬のキャラであれば「犬」で二人称を完結させられたりしますので、であれば名前なんてなくてもいいよな……という思いが強いです。どうしても自己投影が強くなりすぎるというか……(自己投影は感情移入と相反するものなので)

 そういう感じで今作の主人公も名無しにしたのですが、相方の陽向については、キャラ造形に絡めてネームドにしたほうが効果的なような気がした……という覚えがあるような、ないような。結果的に、今まで避けてきたほどには抵抗なく書けたように思います。キャラとしてもなかなか愛らしい狼さんになりました。「物腰穏やかな狼お兄さんをキレさせたい」でも書いたように、おやおやふふふ系のおおらかなお兄さんがとびっきりのフェチなので、今作に関しては「欲望に正直に」を徹底したのがよかったのかなという印象です。Vivienn の洋服も出せたし。

 

 とはいえ、今作はブックマークや閲覧の数で見るとそれほど振るわなかったです。

 というのも「がんがらがん」というタイトルからして、内容がよくわからないので作品をクリックするまで誘引できなかったというのはあると思います。

 ラノベ風の長文タイトルというのは、あれはあれで時風的の理にかなっていて、仕事にエンタメにとみんななにかと忙しく、スマホゲーのスタミナ消費でさえどんどん時短を求められている時代、内容がわからないものなんて読もうと思わないわけです。どういう話でどんなエッチで抜かせてくれるのか、タイトルで最初からわかっているもののほうが求めやすいし、効率的ですよね。

 理解はしながらも、今作に関しては「がんがらがん」以外のタイトルをつけたくありませんでした。この話にはこのタイトル以外ありえない!

 このタイトルだからこそ、とりたてて事件も起こらず、ただただ同じ時間を過ごす二人を思いのまま書くことができました。「なんにもない」と最初から居直ってしまえば、ただ書きたいことだけに集中できるという部分がありました。結果としてあまり読まれなかったにしろ、私的にはとても楽しく書けた一本です。内容もそれなりにラブラブなエッチですし、読んでもらえさえすれば楽しんでもらえるものになってるんじゃないでしょうか(その読んでもらうためのタイトルが問題なので論理が回ってますが)

 

 そういえば今作は、いわゆる「酒の勢い」でのエッチでした。前回の記事で「酒に頼るのは避けている」と書いたばかりなのに、クリスマス・正月と酒をエッチの燃料として使ってしまって言葉の信憑性がなくなってしまいそうです。でもまあ、これを書いてからもうすぐ一年経ちますし、またクリスマスや正月くらいでは、いいでしょう。うむ。

 

 そんなところです(2回目)

 

 

 それにしても、このブログにあまり時間もかけてはいられないんですよね。やはり年末は年末しか書けないものがありますので、小説を書く時間は確保したい。いやあ、書けるかなあ。ネタ出しもろくにできてないのにねえ……