100日後に死ぬ人間/Pollyanna/めちゃくちゃにされるクリムガン

 

 

ポケカ絵師とかいうポケモン創作界の神

 

 

 今日も作品振り返りをやっていくのですが、4Vクリムガンが二本とクリムガンエロが一本というクリムガンまみれの記事になります。私、仁王立ちクララ。おそらく宇宙でいちばんクリムガンを書いた字書き最推しはルカリオなんだけどな……

 今回は三本取り上げることにしたわけですが、クリムガンエロはともかく、4Vクリムガンに関しては、語れることはもちろんたくさんあるけれど、あまり多くを語るべきでないという気がしているシリーズです。私のほうから理解しやすくしてしまうと、あのシリーズが内包している要素の一部あるいは大部分が死んでしまうのではないかと思っているのですね。

 よくわからんなりに、なんかしらわかるような気がする……というくらいがいちばん魅力的に見えるはずです。人間の脳というのは、なんだかよくわからないものにはワクワクするようにできています。あのクリムガンには、そういう余地を残しておいてあげたい。 

 

 そんな感じで、今日もいってみましょう。

 

 

名無しの4Vクリムガン(仮)‐100日後に死ぬ人間‐

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 今作からは正真正銘、2022年執筆です。新年一発目は4Vクリムガン。なんといっても、コンセプト的にどこからでもネタを拾うことができて、このシリーズは書きやすいのです。昨年の週一投稿記録の挑戦でも、その書きやすさでずいぶん助かりました。書くものに困ったときには4Vクリムガン。そんな書き方をしている節がありまくりでした。

 

 さて、タイトルの元ネタの「100日後に死ぬワニ」は、皆さんご存知でしょう。

 日本中が結末に注目していたにも関わらず炎上してしまった「100日後に死ぬワニ」ですが、私はアレ、作品自体はとても好きでした。ある種の社会実験だったのではないかなどとも言われたりしていましたが、死の結末を最初から明らかにしておいたうえで、とりとめのないワニくんたちの日常を見せ続けるという手法は実に画期的と感じたものです。心暖まるところもありながら、ときおり妙にシニカルで、絶妙な世界観も愛おしい。ただまあ、きくちゆうす氏の他作品を少し見たところではそれほど心楽しいものではなく、私の印象では「100日後に死ぬワニ」だけの一発屋です。

 とはいえ、その一発のデカさたるや。ひと口に一発屋とはいっても極端な話、心震える名曲「カノン」を生み出したパッフェルベルのような最強の一発屋も存在するわけです(カノンとジーグの「ジーグ」なんて聴いたこともなければ演奏されることもあまりに少ない)。一発だろうがなんだろうが、「100日後に死ぬワニ」が多くの人々に愛されたことは間違いなく偉大ですし、私などでは生涯をかけても一発の花火もあがらずじまいでしょう。きくちゆうす氏の過去の言動、あまりにもお粗末な広告連発ムーブなど、目につくものは数あれど、あくまで作品外の出来事は作品自体の評価とは切り離して考えたい。

 少し脱線が長くなりましたが、今作ではそのようなリスペクトの意味も込めつつ、キャッチーさを出す効果を狙って堂々とパクらせていただきました。そして余談ですが、最初は「どうせ死ぬならロシュの限界で」というサブタイトルで考えていました。でもこれ、クリムガン視点の話であればそういう専門用語を使うのもよかったけど、今作のタイトルとしてはしっくり来なかったんですよね。「100日後に死ぬ人間」という、わかりやすく直球なタイトルでよかったと思います。

 

 しかしタイトルこそパクりとはいえ、「100日後に死ぬワニ」では最後にワニくんが死ぬところを、私は今作の主人公(年老いた山人)を作中では死なせていません。今作はおそらく、「100日後に死ぬワニ」のように主人公の死を念頭に置いて読んだとて、さほど特別な感慨も湧かないのではないでしょうか。作品的にも「この人、このあと亡くなったんだよね」くらいの意味しか持たせていません。「おれがシキジカを殺した理由」でも似たようなことをしましたが、読後に意味がわかるという類の、けっこうありふれたスタイルです。

「100日後に死ぬワニ」は、死という結末を確定させているタイトルが重要なファクターになっていましたので、インパクト抜群なあのタイトルをパクれば、超重要な要素がそこにあるように感じてもらえるかもしれません。でも実際はそんなでもないという、そんな肩透かしというか、ちょっとしたイタズラでもありました。もしかすると、山人が病に倒れる場面で「いよいよ死ぬんだな」と身構えてくれた読者もいるかもしれませんね。そうであれば、私のしょうもないイタズラに引っかかっていただけまして、ありがとうございます。狙い通りでとても嬉しいです。

 

 

こんな儚げなイラストまで公開しておいて、完結と同時に次々と商業展開されたら、
そりゃあ金儲けに目がくらんだと見えるし、炎上もするでしょうよ(呆れ)

 

 

 4Vクリムガンは基本的にはクリムガンの一人称(厳密には違いますが以下略)で進むのですが、群々氏のドラパルトをお借りしたスピンオフ「非モテ底辺クソホモ童貞ポケモンと学ぶ上手な羞恥心の与え方」や、チョロネコ視点に寄せた三人称の「Beg for your life」、それから黒歴史同人誌の収録とはいえ「あくタイプの当然」など、今作を真筆した時点ではクリムガンの一人称ではない話もそれなりに書いていました。

 これがまた、書いてみるといっそうクリムガンがかわいいのです。話がまったく通じないわけではなく、向こうもある程度はコミュニケーションを試みてはいるが、全体としてはなにを考えてるのかさっぱりわからない。そんなキャラクターを他者の視点で描いてゆくのが、これはこれで楽しい。文字通り、別の視点からクリムガンを見てゆくわけですから、作者でありながら、このクリムガンに対する解像度がどんどん増してゆくのです。今作を山人の一人称で書いたのもそういう理由でした。

 

 ただ、山人自体も書いていて楽しかったです。当たり前の話ではありますが、原作「ポケットモンスター」の世界にはポケモンと一緒に暮らしていない人間もいますし、図鑑説明文なども考慮すれば人間がポケモンを食べているのも事実です。ポケモンは全年齢向けのゲームですから、低年齢層を意識してゲーム中で露骨に描写はされませんが、個人の二次創作であればそういうことをしてもある程度は許されます。

 どうにも、ポケモンポケモンを捕食しているとか、人間がポケモンを食べているとか、そういうことを受け入れがたい人というのは一定数いるようなのです。しかしそれは原作内できちんと示唆されている作中事実です。

 原作が言っていることを、好き嫌いで語るならともかく、「受け入れない」というのは、間違っていると私は思うのです。だったらあの世界の人間は、ポケモンは、いったいなにを食べて生きてゆけばいいのでしょうか? 生き物は生き物を食べなければ死ぬのです。動物でなくたって、きのみや果物も生物です。そのような当たり前の事実から目を背けて、美しい(と思いこんでいる)ものだけを見ていたい――というような都合のいいファンタジーの使い方を、私は認めません。ファンタジーはあくまで表現方法であり、見たくないものを見ずに済む逃げ道ではありません。

 今作で思いきりポケモンを狩猟して食べるシーンを書いたのは、そういうアンチテーゼのつもりだったのでした。このシリーズいつも逆張りしてんな。

 あまりだれも書いていない感じのするものを書いている実感があるのは、やはり楽しかったです。それに、ポケモンで二次創作をするうえで、人間がいるということを避けていてはいけないと思うのです。どれだけ人間よりポケモンの方が好きといっても、ポケモンしか登場しない話ばかりを書いていては、それって人間しか登場しない話となにも変わらないと思います。人間がいて、人間じゃない生き物の「ポケモン」がいる。私たちはポケモンを見て、人間とは違う不思議な姿かたちや、能力や生態などに素敵と感じます。その「違い」は、そもそも人間が存在しないと始まらないのです。

  だから、ポケモンの世界でありながら、ポケモンを連れずに、ただ人間として生きている人間を一度は書こうと、ずっと思っていたのです。4Vクリムガンでいうなら「Id」でも人間を登場させはしましたが、あれはただの(クリムガンの)観察対象にすぎなかったのでね。

 

 

 それにしても、こうして書いていて思うのですが、いちいち他人様の顔面に冷水を浴びせるような話ばかり書いているシリーズです。そういう「少し考えればだれでもわかりそうなこと」が短慮に切り捨てられている現実に、私は常日頃から腹を立てています。以前も記事にしたことではありますが、4Vクリムガンを書いているときというのは大抵、私は怒っています

 

 

 

 
名無しの4Vクリムガン(仮)‐Pollyanna‐

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 サブタイトルの元ネタは、某ゲームBGM――ではなく、1986年にフジテレビで放映されたアニメ「愛少女ポリアンナ物語」の原作である、エレナ・ホグマン・ポーター著「少女パレアナ(少女ポリアンナ)」および「パレアナの青春(ポリアンナの青春)」――でもなく、それを由来とした現実逃避の一種、また楽天主義の負の側面を表し、心的疾患のひとつである「ポリアンナ症候群」から。

 

 いつも思うのですが、「ポリアンナ症候群」というネーミングは元ネタに対して失礼すぎます。原作およびアニメの主人公であるポリアンナは、父から学んだ「よかった探し」をすることで様々な絆を結んでゆく物語であって、「よかった探し」を自己満足の餌にしたり、現実逃避の手段にしたりなど決してしません

 まったく、「よかった探し」でそんなことをするのはいったいだれでしょうか? そう。クリムガンです

 

 

 

なんでこの人たち、CD音源よりライブの方が上手いの?(意味不明)

 

 

 私は執筆の際、UNISON SQUARE GARDENの楽曲をよく流すのですが、ベースの田淵氏の作詞というのはものすごく文学的(この言葉きらいなんだけどそうとしか言いようがない)で、とにかく私の心にぐっとくるのです。もちろん音作りそのものも素晴らしくて、耳にするのが楽しくて仕方がないです。私がUNISON SQUARE GARDENを好きになったのも音の心地よさが理由です。それで、ふと歌詞を見てみたときには愕然としました。ほとんど意味不明なんです。

 ただ、田淵氏の作詞というのは非常に言語化しにくい感情の前段階とでもいうのか……心の前駆状態のような部分を表現している(ように私には感じられる)ところが多く、そのいちいちが私の日頃から抱いている怒り、すなわち創作のモチベーション、すなわち4Vクリムガンにマッチするのです。

 すこしだけピックアップしてみます。

 

 

 ジグザグすぎてレイテンシーが鳴ってる

 それが意外なハーモニーになって

 あまりにも不明瞭で不確実 でもたまんない

 

(中略)

 

 脳髄命令迅速に応答せよ

 自意識を間違えたやつが自爆しそうだよな

 

(中略)

 

 君も傷ついてきたんだね

 それならその合図で反撃してやろうじゃない

UNISON SQUARE GARDEN『Catch up, latency』より)

 

 

 

 ああ上手に準備されたユートピアに浸って帰り道につけば

 悲しいは微塵すら無いのだけど 無いのだけど

 依然体制異常なしだなんて わがままが芽生えたんだ

 ああみんなが大好きな物語の中じゃ呼吸がしづらいんだね

 

 情状酌量判決など出るわけがないのだけど

 多分一生涯で満足な答はとても出やしないし

 曖昧なんて論外の優しいMusic

 どうしようも馴染めないから 差し出された手は掴まなかった

UNISON SQUARE GARDEN『Dizzy trickster』より)

 

 

 クリムガンが作詞したのかな?

 驚くことに、4Vクリムガンのシリーズ20作、そのほとんどにマッチする楽曲がUNISON SQUARE GARDENで見つけられるのです。あんなややこしいことこのうえない内容なのにです。いや、マジで?

 ただし、それらの楽曲の多くは陰鬱さとはかけ離れた、爽快感のある明るいロックです。音を聴くだけならとても軽快で楽しげなのに、詞には確実に激情が込められている……

 そこから、今作「Pollyanna」のヒントを得ました。

 4Vクリムガンもシリーズが重なるごとに時間軸が進んだ話も増えてきました。今作ではBW2の要素も匂わせつつ、いろいろな体験を通し、知識を吸収したクリムガンが、いよいよ世間に迎合しようと挑戦します。その姿が、いったい他者からはどのように見えるのか。それを強さといっていいのか

 

 

「ありのまま」なんて 誰に見せるんだ

 

 

 とかく世間は「自分に正直に生きろ」とか「ありのままの自分でいい」とか言いますが、「素の自分」を出した結果があなた方にとって好ましくなかった場合でも受け入れてくれるんですか?

 耳障りのよさそうなことがそのまま真理だと思わないでもらいたい。「ありのままの自分」でなにもかも上手くいくなら誰ひとり苦労せずに済むんですよ。

 人殺しに快感を覚える人間が、ありのままでいたいからと殺人を繰り返していたとして、あなたはそれで「いい」と言えのでしょうか? そいつに大切な人を殺されたとしてもです。それでも「いい」と言えるとしたら、完全にどうかしています。きっと人殺しにとっての大切な友達なり被害者なりになれるでしょう。でも、仮にあなたはそうでも世間は違います。「ありのまま」を受け入れてもらえない人間なんか腐るほどいるじゃないですか。

 

 自分を偽って生きるのは苦しすぎる。だけど世の中は自分の本性を受け入れてはくれない。どんな在り方でも、到底生きていかれない。

 言ってることと現実が全然違うじゃねえかよ!

 

 だったらもう、そんなことは考えなくていいじゃないですか。

 ありのままがどうとか、世間がこうとか、なんにも考えずに、みんなが「いい」と考えることに従って、そういうものにだけ心を明け渡して生きていれば、きっとどんな手段よりも効率よく幸せになれます。みんなが「好き」というものを、私も「好き」と言うだけでいいんですから。本当そんなもの嫌いで嫌いで仕方ないけど、そんな考えはきっとみんなは「悪い」と言うだろうから、悪いものは殺してしまえばいいんです。

 ね、簡単でしょう?

 

 今作はだいたい、そんなような話です。

 

 

 あ、わかる人はわかると思いますが、キリキザンがやった演目は「隅田川」です。これについてはぴったり今作にマッチした作品というわけでもなくて、というかあまりにもマッチしていても不自然というか、あざとい感じがすると思うので、クリムガン的に共感できそうな余地もありつつ、本質的にはハズしたものにしました。なので「隅田川」をご存知の方が、クリムガンとのリンクを感じたり、感じなかったりしてもらえればいいかなと思って書きました。

 

 

 

 

クリムガンがフェアリータイプにめちゃくちゃにされる話

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 散々イキり散らした前二作との温度差がえらいことになっていそうですが……次に書いたのはクリムガンハーレム物エッチ小説でした。書いた順番がそうなんですから仕方ないです。振り返りましょう。

 

 さてさて。

 私はクリムガン推しの同志であり、字書きの同志である某氏と、よくDiscordで通話しながら酒を飲むのですが、ある日のDiscord飲みの際、私は某氏に要約してこんな感じのことを言われたのです。

 

「クララさんはクリムガンでエロを書かないんですか?」

 

 いやあ~……

 目からまなこ落ちました💀⌒👀

 

 いやはや、高校生時代にポケモンBWをプレイして、はじめてクリムガンと遭遇して以来、クリムガンをたまらなくかわいいと思い、これだけ長いあいだクリムガンで小説を書いてさえいながら、正直私、その発想はありませんでした!

 

 いやなんかクリムガンってめちゃくちゃかわいいし推しなんだけどルカリオと違ってそういうんじゃないというかほら4Vクリムガンみたいなものをずっと書いていたせいかもしれないけどいまいちそういう目で見れないというかいやごめん嘘めっちゃそういう目で見てるしクリムガンで抜いたこともあるし正直エッチだと思うけど自分で書くかっていうと想像できないっていうかアレッでもなんかそう言われると全然書けそうな気がしてきたっていうかむしろ書きたいかもしれない――

 という会話がひとしきりあってから、そのまま「クリムガンでエッチ小説を書くとしたらどんなのがいいだろう」という会議になりました。

 

 クリムガンのかわいさの秘訣といったら、なんともいえない「ドラゴンっぽくなさ」と、ルックスや種族値がいまひとつパッとしない「不遇感」です。

 クリムガンでエロといっても、バリバリ順調に相手を見つけてラブラブにヤりまくり……みたいなのはさすがに違います。そんなクリムガンはちっともかわいくない。そんなことをやるんだったらガブリアスでいいんです。

 やはりクリムガンは、少し弱い立場にあるのがいいとでもいうのか、かわいそうなのがかわいいのです。

 

 では、そこをストレートに突いて、強くてかっこいいドラゴンたちにいいように使われてしまうクリムガンというのはどうか?

 王道といえば王道です。かわいいといえばかわいいかもしれない。でも、ランクマッチの荒波に揉まれ揉まれて生きてきたわたしは知っているのです。対ドラゴンタイプにおいてクリムガンはさほど弱くもないということを

 そもそも、タイプ相性的にドラゴンタイプはドラゴンタイプの技が弱点なのですから、互いに一致抜群を取れる以上、クリムガンだけが一方的に不利ということはないのです。もちろん、ポケモンバトルはすばやさゲー、S48という鈍足ドラゴンのクリムガンは上から殴られればワンパンということもあるでしょうが、そんなものは調整やもちもの次第でどうとでもできるのです。

(テラスタルによってちからずくが適用される技をタイプ一致で使えるSVクリムガンには可能性しか感じない。HOME解禁はよ)

 それよりは、もっとわかりやすい天敵のほうが効果的に思える。そう……ドラゴンタイプの天敵であるフェアリータイプのほうが……

 

 フェアリータイプによってたかって好き放題されるクリムガン。これは、いいじゃないか。どう考えてもかわいいぞ。けっこう書けてしまいそうじゃないか。いやむしろ、書きたい!

 もはや、私は書かねばならぬのでした。宇宙でいちばんクリムガンを書いている字書きを自称するならば!

 

 

(ちなみにこれはクリムガンが対戦実況するYouTubeチャンネル。クリムガンに限らずどのポケモンを使っても上手い)

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 ネタが固まるとトントン拍子という感じで書けました。

 実際に書いたのはフェアリータイプに虐げられるというのではなく、フェアリータイプに一方的に苦手意識を抱いていて怖がっている感じのクリムガンでしたが、これがまた、とてもかわいいクリムガンになりました。中でもクリティカルだったのが、フェアリータイプしかいないボックスに入れられてしまったクリムガンの心境を、端的に文字にした文言です。

 

 ――いじめられる。

 

 別に書く前から「このフレーズ」と決めていたわけではなかったのですが、書いているときに自然に頭に浮かんできたので、そのまま書いてみたんですね。そうしたら、まあかわいいこと、かわいいこと! クリムガンおまえ、ご大層なドラゴンタイプのポケモンくせに「いじめられる」ってよお!

 決して弱腰な性格ではないのですが、生物的の本能として、どうしてもフェアリータイプに恐れおののいてしまうクリムガン。ヘイトを集めて目をつけられないように立ち回っていたら、そういう振る舞いがなんだか気に入られてしまって、困惑しきり……もう本当、に書いていてかわいくて仕方なかった。

 

 主人公を通してキャラクターを魅せるため、主人公にはこれという個性をつけない書き方をすることも多々ありますが、今作はとにかく主人公のクリムガンに共感してもらわねばならないため、性格づけから舞台設定から、ある程度だれが読んでも好きになそうなキャラにしようと注意しました。エスストでも書いたのですが、こういうときに剣盾のポケジョブキャンプというのは、本当に便利でして……剣盾はポケモン史上、ものすごく創作しやすいゲームでした。

 

 私はエッチシーンを書くのがそれほど得意ではありません。R-18タグをつけた小説をいくつ上げてるんだと思われてしまいそうですが、あれらにしても積極的にエッチ小説を書いているわけではなく、単にエロで吊って私の文章を読ませているだけなのです。タイトルとタグで読みやすそう・抜けそうな雰囲気をかもしておいて、きわめて重苦しい私の小説に誘い込む。そうして読んでくれた読者へのご褒美とでもいうのか、そういうノルマとしてエッチシーンを入れている場合が多いです。なので私的には、エロを書くのは基本的に苦痛なのです。

 しかし、ガブジュナにしろクリムガンにしろ、キャラ萌えが先行する場合はどうやらその限りでもないようでした。今作のエッチシーンは楽しかった。というかそもそも、ジュナイパークリムガンに関してはエッチを書きたかった。執筆の第一因がエロなんですから、そりゃあ書きたいシーンを書いてれば楽しいはずです。逆説的に、普段はマジのガチで嫌々の渋々エロを書いているんだなあ……と、今作で改めてそんなことを感じたりもしました。

 

 ちなみに、これを書いている2022年12月20日現在、今作は89回ものブックマークをいただいております。

 人気絵師の3~4桁ブクマなどを見慣れている皆さんにとっては取るに足らない程度の数に思えるかもしれませんが、クリムガンのエッチ小説でこれほどの数のブックマークはとんでもないことです。イラストや漫画ならまだしもこれ、小説ですからね。しかもホモ。

 時さえ経てば3桁ブクマにも届くかもしれません。まさしく快挙です。ルカリオやブイズやサーナイトで作品ヒットするのとはわけが違います。クリムガンですからね。

 参考までに、私が書いたポケモンのホモエロ小説ブクマ数を挙げますと、エースバーン×ストリンダーが51回、ゼラオラ×ルカリオが50回、ガブリアス×ジュナイパーが70回、ルカリオ×ヒスイジュナイパーが50回となっています。

 いずれも明らかにクリムガンより人気のあるポケモンでのエロです。今作の手法がエロと萌ええお表現するのに効果的だったのか、それとも実はみんなクリムガンが好きなのか

 この結果は非常に興味深いところですし、SVでもまたクリムガンのエッチ小説を書いてみたいです。ネタさえ浮かべばね

 

 

 最後に。

 いや別に最後に言うことでもないんだけど。

 今作ではザシアンを完全に♂として登場させています。剣盾の図鑑説明文によるとザシアンはザマゼンタの姉であるということらしいのですが……

 そんなものは知らん!

 私は、基本的には原作設定を捻じ曲げるような解釈は好きではありません。しかしです。本気でザシアンとザマゼンタを姉弟という設定で確定させたいのであれば、簡単な話です。ラティオスラティアスでそうしたように、性別を設定すればいいだけの話です。しかし現実、ザシアン・ザマゼンタは性別不明のポケモン。図鑑説明文にしても「姉ともいわれる」と書かれているにすぎません。ザシアンのようなかっこいいオオカミのキャラクターは雄のほうがエロいんです! どちらかといえば黒寄りですが、まだグレーの範疇。性別不明であることも間違いなく作中事実なのです。メスケモ好きがなんと言おうが、イヌチンポ付きザシアンの可能性を私は捨てない!!

 

 あとドラゴンタイプのポケモンなんですが、ガブリアスのヘミペニスだけじゃなくて総排泄腔も増えろ! もっと言うと収納式チンポは尿道が通ってないから人間みたいに精子がびゅっと飛び出る射精はしません

 どうしてケモナーってやつはケモノに欲情するくせに生殖器の理解に対してだらしねえんだ。フェチに対してこだわりが貧弱すぎる。全員がそうしろとまでは言わない。でも少しくらい増えてもいいだろう! 結局はチンポが好きなだけのファッション的ケモチンはもう飽き飽きだ。私は怒っています!